近年の医療機器の発展に伴って、手術方法も次々と変わっています。特に内視鏡とCCDカメラの発達は、耳鼻咽喉科に限らず外科や整形外科等でも従来の手術手技を根本から変えてしまうくらいの変化をもたらします。耳鼻咽喉科領域では、20年以上前から鼻副鼻腔の手術に対して、内視鏡下手術が一般的になっておりましたが、耳科手術領域でも内視鏡が導入されつつあります。従来の耳の後ろ切開して開創する術式に対し、内視鏡下の手術では外耳道(耳の穴)からの操作が主体となりますので、従来法よりも低侵襲となります。当院では顕微鏡下でも耳後部を切開せずに鼓膜形成術や鼓室形成術を行っておりますが、鼓室には顔面神経の走行により顕微鏡下では観察や操作が難しい部位があります。その際には、内視鏡下での操作が非常に有効です。今回は内視鏡下耳科手術の日本での権威とも言われる山形大学耳鼻咽喉科の欠畑誠治教授が主催するセミナーで、内視鏡下での耳科手術の講義と手術見学に参加し、とても有意義な時間を過ごすことができました。
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